【筆者より】  この問題はたいへん難しい。  実は筆者にもまったく解決策が見つからないのである。  などと言うと、なんとも無責任なようだ。けれども、エルシード達が実際にこういうことをしていたから、筆者はそれを描写しただけなのであり、また、筆者は別にパズル作家でもなんでもないのであり、要するに読者の方々のおもしろい答えを聞かせてもらいたい、ということなのである。以上。 「まてまてまて! 乙女をパンダにしといて、そんなんで終わりとは何ごとじゃ!」 どうやら、える姫さまは、えらく怒っているようなのである。  しょうがないので、とりあえず一つだけ策を考えてみる。  さて、この場合。  える姫さまが無事パンダの外に脱出する方法として、最もありそうなのは、量子論的に無理矢理ぬいぐるみの膜を通り抜けてしまう方法である。  それはどういうことかというと、あらゆる粒子はカタマリであると同時にもわもわっとした波の性質も持っているので、障壁が薄いとたまにすり抜けることができるのだ。  ぬいぐるみの厚さが0.0000000001mになるまで引き延ばす。これぐらいの薄さになると、トンネル効果によって、電子が通り抜ける割合が10分の1ぐらいになる。つまり、10回壁にアタックすれば、電子は壁をするりと通り抜けることができるのである。 しかしながら、える姫さまの身体は電子だけでできているわけではない。える姫さまもじつは人間なので、電子の他に陽子や中性子もたくさん持っている。ところが、陽子は電子よりもずっと大きいので、通り抜ける割合はずっと低い。その割合は、10のマイナス43乗ほどなのである。つまり、一回アタックして壁を通り抜ける確率は、  0.0000000000000000000000000000000000000000001  という結構絶望的なものである。しかもえる姫さまの身体にはこの陽子が、だいたい、 10000000000000000000000000000 個ほどあるので、える姫がパンダの壁に一回アタックして通り抜ける確率は、 0.00000000000・・・・(0が43×28個)・・・・1 となる。たいそう低い確率である。しかし、たいそう低い確率ではあるけれども、0ではないので、える姫さまの根性なら通り抜けるのも不可能ではないかもしれない。がんばれというほかはないであろう。 「こらこらこら! そんな答えでお茶を濁して終わるな! 無責任じゃぞ、早くここから出せ!!」 ……無理です。